昨日、日経朝刊。
今週末は選挙。
日本はどこに向かうのか。
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■政治に望む 企業トップに聞く (3)
日本マクドナルドHD社長
原田泳幸氏 人口増やす戦略語れ
――政党や政策が乱立している政治情勢をどうみているのか。
「やはり決定的に欠如しているのはビジョンだと思う。原発問題、環太平洋経済連携協定(TPP)、消費増税など色々な課題はあるが、すべて手法の議論であって、ゴールの話ではない。国の成長なくして国民の幸せはない。業績不振の会社に新社長が来て、福利厚生を充実させますとか、家族手当を増やしますとか、言いますか」
「今は賞与が出なくても成長戦略を示し、いずれ勝ち取るというのが経営だ。まずはロードマップを作り、その上で制度設計や一連の課題に取り組むべきだろう」
――具体的にどんな戦略が必要か。
「日本の課題は人口減だ。例えば何年までに1・何倍の人口に増やしますという大テーマから政策を語ってほしい。それから日本の国際競争モデルを語るべきだ。例えば農業の場合、さすがにコスト競争力では勝てない。先日も飲食店で小粒で質の高い野菜を見たが、そんな付加価値の高い商品作りを支援すべきだろう。製造業も米国のように国をあげて新しいモデルを作る努力が必要だ」
――国が民間企業の競争に関わるべきなのか。
「もちろん経営が傾いた企業を支援するということではない。インターネット普及前から米国の大学はアップルと将来のデジタル産業について共同研究していた。例えば流通と通信が融合したeコマースや、デジタルテレビなど将来像が示されていた。目先の対策ではなく、メガトレンドを後押しする支援が重要だ」
――政府の体質は簡単には変わらない。
「通産省時代は日本株式会社の参謀として国家戦略があったと思うが、今や政治とマネジメントは鎖国状態にある。日本は戦後、製造業を軸に生産性と品質で経済力を高めてきたが、今はそのステージではない。そこから政治家も経営者も変わっていない。これからは政府系のシンクタンクにも外国人を入れたらいいのでは。企業もいまだに外国人の経営者を敬遠している。グローバル化時代に生きていくには多様な人材が流動化する時代にならないと」
「TPPへの交渉参加も当然だ。日本はグローバル化の中で貿易立国で生きていくしかない。仮にTPPが米国の策略であったとしてもルール作りに参加し、リーダーシップをとるぐらいの姿勢が欠かせない」
――マクドナルドの利用者が多い若者の負担が重くなる政策が目立つ。
「金の使い方を投資と消費に分けた場合、政策は年金など消費に傾きすぎる。若者への投資をして新たに金を生む戦略が必要だ。消費増税は今の経済状態ではダメージが大きい。当社は乗り切れるが、他の外食には厳しい。マクロ経済的に税収増につながるのかどうか疑問がある」
「政治が成長の阻害要因になっては困る。例えば非正規社員への社会保険の範囲拡大など一定の理解はしているが、企業の競争力は落ちる。企業の成長なくして社会保険制度は成立しないのだからバランスを考えてほしい。経営と同じでキャンペーンやディスカウントで目先の売り上げを作っても成長はない」
原田氏はインタビュー後、「少し言い過ぎかな」と前置きしつつも「いや、これぐらい乱暴に言わないと議論にも火が付かないか」と最後は苦笑した。それほど財政事情が年々悪化し、製造業の国際競争力が低下している日本の足元は危ういとみる。
TPPや消費税など政策には立場や利害によって是もあれば、否もあるだろう。だが政策実行後のマイナスの影響ばかり考えたら、何も決められない。もはや、やるかやらないかだ。原田氏が述べるように世界中から人材やノウハウを集め、若者の将来不安を緩和し、活力を引き出す成長へのロードマップ作りは急務だ。
「やはり決定的に欠如しているのはビジョンだと思う。原発問題、環太平洋経済連携協定(TPP)、消費増税など色々な課題はあるが、すべて手法の議論であって、ゴールの話ではない。国の成長なくして国民の幸せはない。業績不振の会社に新社長が来て、福利厚生を充実させますとか、家族手当を増やしますとか、言いますか」
「今は賞与が出なくても成長戦略を示し、いずれ勝ち取るというのが経営だ。まずはロードマップを作り、その上で制度設計や一連の課題に取り組むべきだろう」
将来像を示せ
――具体的にどんな戦略が必要か。
「日本の課題は人口減だ。例えば何年までに1・何倍の人口に増やしますという大テーマから政策を語ってほしい。それから日本の国際競争モデルを語るべきだ。例えば農業の場合、さすがにコスト競争力では勝てない。先日も飲食店で小粒で質の高い野菜を見たが、そんな付加価値の高い商品作りを支援すべきだろう。製造業も米国のように国をあげて新しいモデルを作る努力が必要だ」
――国が民間企業の競争に関わるべきなのか。
「もちろん経営が傾いた企業を支援するということではない。インターネット普及前から米国の大学はアップルと将来のデジタル産業について共同研究していた。例えば流通と通信が融合したeコマースや、デジタルテレビなど将来像が示されていた。目先の対策ではなく、メガトレンドを後押しする支援が重要だ」
投資は若者に
――政府の体質は簡単には変わらない。
「通産省時代は日本株式会社の参謀として国家戦略があったと思うが、今や政治とマネジメントは鎖国状態にある。日本は戦後、製造業を軸に生産性と品質で経済力を高めてきたが、今はそのステージではない。そこから政治家も経営者も変わっていない。これからは政府系のシンクタンクにも外国人を入れたらいいのでは。企業もいまだに外国人の経営者を敬遠している。グローバル化時代に生きていくには多様な人材が流動化する時代にならないと」
「TPPへの交渉参加も当然だ。日本はグローバル化の中で貿易立国で生きていくしかない。仮にTPPが米国の策略であったとしてもルール作りに参加し、リーダーシップをとるぐらいの姿勢が欠かせない」
――マクドナルドの利用者が多い若者の負担が重くなる政策が目立つ。
「金の使い方を投資と消費に分けた場合、政策は年金など消費に傾きすぎる。若者への投資をして新たに金を生む戦略が必要だ。消費増税は今の経済状態ではダメージが大きい。当社は乗り切れるが、他の外食には厳しい。マクロ経済的に税収増につながるのかどうか疑問がある」
「政治が成長の阻害要因になっては困る。例えば非正規社員への社会保険の範囲拡大など一定の理解はしているが、企業の競争力は落ちる。企業の成長なくして社会保険制度は成立しないのだからバランスを考えてほしい。経営と同じでキャンペーンやディスカウントで目先の売り上げを作っても成長はない」
<聞き手から>競争力高める工程表が必要
原田氏はインタビュー後、「少し言い過ぎかな」と前置きしつつも「いや、これぐらい乱暴に言わないと議論にも火が付かないか」と最後は苦笑した。それほど財政事情が年々悪化し、製造業の国際競争力が低下している日本の足元は危ういとみる。
TPPや消費税など政策には立場や利害によって是もあれば、否もあるだろう。だが政策実行後のマイナスの影響ばかり考えたら、何も決められない。もはや、やるかやらないかだ。原田氏が述べるように世界中から人材やノウハウを集め、若者の将来不安を緩和し、活力を引き出す成長へのロードマップ作りは急務だ。
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【所要時間:10分】
最近、自分の周りでは、出産ラッシュ。少子化とは思えないんだが、よくよく考えたら2人以上生まないと人口増えないんだった…。