2013年3月7日木曜日

■「ワーク・ライフ・インテグレーション」

先日、IBMの方とプライベートでお話する機会があり、その時、ワークライフ・インテグレーションという言葉を初めて聞いた。もう、ワークライフバランスとか言わないんだと。確かに、今や、仕事と生活を分けること自体が難しいし、ライフの中にワークは入っているはずだし。
そんな中、「文武両道」という言葉も、個人的には頻繁に使ってるんだが、実は何かピンと来てなかった。それは、「文」と「武」を分けるからなんだと今更ながら気づく。勉強とスポーツ(文化系も含む)はトレードオフの関係ではなく、本来は統合させることで両方を効率的に成長させるはず。とはいえ、受験勉強に集中するために、サッカークラブを一時的に休ませてしまう親の気持ちも理解できないこともないが…。
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仕事と生活を統合せよ 日本IBM社長 橋本孝之氏

2012/4/16付
日本経済新聞 夕刊

――ワークライフバランス(仕事と生活の調和)は時代遅れとお考えとか。



 「ワークライフバランスはわが社では死語になりつつある。昼はオンで夜はオフという考え方ではグローバル競争に勝てない。24時間対応が迫られており、1日の中で細かくオン・オフを切り替える必要がある」
 「私は早朝にメールをチェックし、1時間ほどジムで汗を流してから出勤する。夕方に数時間プライベートな時間を過ごし、夜9時ごろからはニューヨークとの電話会議といった生活だ。子育て中の社員も1日に何度も切り替えをする。『ワーク・ライフ・インテグレーション(統合)』を進めなければならない」
 「時間管理は引き算で行うべきだ。退社時間を決め、残された時間にIT(情報技術)も駆使して生産性を最大限に高める努力をすることが大事」
 ――実現に向けた環境整備も進めている。
 「時間と場所に縛られない働き方の導入を進めている。フレックスタイムなど用意した15通りの働き方を社員は選べる。既に社内の固定電話番号をもたないモバイル勤務の社員が7割を占める」
 「ただし部下をどう評価するかが課題。コミュニケーションを密にとり、的確に目標設定をする必要があるが、それが難しい部門もある。また、営業職では結婚・出産で内勤に変わる女性が多かった。工夫すれば女性も営業で働き続けることはできる。夜の接待は昼のランチに変えればよい」
 ――ライフの充実はワークにもプラスか。
 「人生には仕事、家庭、趣味という『3本の矢』が必要だ。仕事で失敗しても、残りの2本があれば支えとなる。2本の矢は仕事のアイデアも膨らませてくれる」
 「よき企業市民たれと、社員にはボランティアを推奨している。最近は新興国への社員ボランティア派遣にも力を入れている。こうした活動も社員と会社の成長を支えるビタミンとなる」
 ――会社にとってワークライフバランスとは。
 「会議の出席者が男性ばかりの時は『何をやっているのか』と管理職に注意する。男女、国籍を問わず多様な人材がいてこそ新しいアイデアが生まれる。それが革新的なビジネスを生み出す。成長のためにこそ、様々なライフスタイルに対応できる柔軟な働き方を用意しなければならない」
----------------日経電子版 
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