2013年1月23日水曜日

■「1対1論」


日経電子版 サッカーコラム「ピッチの風」 編集委員 武智幸徳

間合いの緩さ、甘さ
 森山前監督は「守備の技術がまだまだ。相手に寄せろ、といっても近づく程度で終わってしまう」とも語ったが、引退した元日本代表の中田英寿氏が日本選手の弱点としてしばしば挙げたのが、この間合いの緩さ、甘さだった。
 ボール保持者の前に立ってはいるけれど、相手に一片の脅威も与えていない、アリバイ工作のようなプレス。遠い間合い、踏み込みの浅い立ち会いに、過保護な判定……。
 こんな土壌から「プレーし続ける強い意志」「スピーディーでタフでフェア」な選手が育つだろうか。
 現実問題として、アフリカなどの選手に比べれば、日本選手がコンタクトプレーに弱いのは仕方ない。そこに限界はあるとしても、軸足をしっかり相手に寄せて懐に入り、自分のお尻を相手の太ももにぶつけていくような、相撲でいえば、上調子のつっぱりではなくて下から、下からあてがうような寄せ方でボールを奪い取る。そんな争奪を助長するような技術と笛の協調がもっとあってしかるべきではないのだろうか。
※「たくましい選手=スピーディー、フェア、タフな選手」
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上記コラムを読んで、自分が現役グラマネ時代、殆んどのアフター練習を1対1に費やしたことを思い出す。2時間の全体練習が終って、毎日、1時間は1対1のアフターやってたと思う。正確には、グラマネなので「やらせていた」。嫌がる選手を無理やり集めて…。攻めも守りもどっちもやる。ポジショニングから体の向き、足の運び、上半身と下半身の状態・姿勢、足の出し方、体の当て方、最後はスライディング、シュートブロック。もう、マニアックなくらいやった。自分より速い選手、上手い選手を抑えるにはどうしたらいいのか。ひたすらそれだけ考えていた。もちろん、1対1だけじゃ試合には勝てない。ただ、一つのベースであることは今も変わらないと思う。

【所要時間:15分】