2012年1月21日土曜日

■「プロのオフの過ごし方」

昨日のブログで、中町選手や李選手が慶應@日吉で練習していると書きましたが。先日の日経新聞で、豊田さんが以下のようなコラムを書いていた。プロ選手のちょっとした気遣いや、ホスピタリティが、ファンや子供に夢や勇気を与えるだけでなく、選手自身のブランド価値を間違いなく上げると思う。


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■チェンジアップ 豊田泰光「ファンと交流、オフはない」
 ヤクルトの宮本慎也が、巨人の坂本勇人らと呉越同舟の自主トレを行い、守備を指導したそうだ。9日付のスポーツニッポン紙によると、宮本は緩いゴロを転がして、坂本の頭や足の動き方など基本的なことを指摘した。
 惜しいと思った。その場に小中学生を呼んだら、そのまま格好の野球教室になり、いい種まきになっただろうに。全盛期ならメジャーでも通用したと思われる宮本の守備の土台は基本練習にある。小学生でも捕れるようなゴロ捕球は坂本にとっていいばかりでなく、実際小学生たちのためにもなったはずだ。
 宮本をはじめ、選手たちはいろいろなところで少年らを指導する機会を設けていると思うが、プロ野球が置かれた状況を思うとき、自主トレの期間も無駄にせず、ファンに訴える機会としたい。
 テレビの正月番組を見たら、女子サッカーのなでしこばかり。野球選手はみる影もない。10年前には「みっともないからバラエティーに出てはいかん」と書いたが、もう状況が違う。バラエティーはもちろん、本筋の試合中継が減っている。プロ野球を取り巻く現実は球界の中の人たちが思っている以上に厳しい。
 それでなくても人々の関心がうつろいやすい時代だ。アイドルでも家電でもロングセラーは珍しく、人気絶頂のなでしこの面々だって「今後が怖い」と思っているだろう。
 そんなときに、野球が娯楽の老舗であることにあぐらをかき、オフに姿を消したままでは忘れられる。年がら年中イベントがあるサッカーはその点、うまくできている。
 選手に余計な汗をかけといっているのではない。自主トレをちょっとイベント化して公開するだけでもいい。その昔行われていた正月興行も、ドームがあるのだから、やろうと思えば造作ないことだ。ドラフトで入団した新人のお披露目を兼ねた新人戦を組んでもいい。
 選手生活はせいぜい15年、長くて20年。その間は野球に全てをささげていいではないか。今、休まずにファンに働きかけることで、10年後のプロ野球の土台ができる。(野球評論家)
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【所要時間:15分】
明日はC級講習。天気が心配。