2012年4月24日火曜日

■「見せる試合のために」

本日、日経朝刊。
関東大学サッカーリーグも一部競技場を除けば、入場料を頂いている。
(当日1000円/前売り800円/高校生以下無料)
学生スポーツらしさ、アマチュアスポーツの意義、
もちろん、大切だと思う。
商業主義に走り過ぎるのも、よく無いことはわかっている。
(昔、アメリカの高校バスケで、学生がストライキしたことがあるらしい。膨大な放映権収入を学生が享受していないとの理由で…。)ただ、スポーツや、その大会は、様々な人や企業に支えられているということを、理解しなければいけない。少なくとも、大学生ともなれば。


結局のところ、以下でも書いてるように、
同じピッチに立ったら、プロもアマも関係ない。


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■スポートピア 見せる試合のために 野田朱美
 今季のプレナスなでしこリーグは15日に開幕、私が監督を務める日テレ・ベレーザは2連勝というスタートを切れた。リーグとして昨季との大きな違いは有料試合が大幅に増えることだ。全5試合が有料だった開幕戦前、私はミーティングで選手たちに伝えた。
 「自分たちのプレーに一円でも対価を払ってくれる人がいたら、その時からもうプロフェッショナル。そこを意識してプレーしてほしい」
 ベレーザにはプロ的な選手とそうでない選手が混在する。でもお客さんにそんな言い訳は通用しない。お金を払って見に来たのは「ベレーザのサッカー」なのだから全員でお客さんが望むものを見せる義務がある。
 「下手でも頑張ってます」ではすまないし、「さすがだな」と思わせないといけない。お小遣いをはたいて見に来る子供がいるとしたら、感謝の気持ちを込めてやらないと顔向けできない。
 わざわざそういう話をしたのは大きなチャンスが来ていることを改めて自覚してほしかったからだ。いいプレーを見せ、観客を増やせば、自分たちの手で環境を変えられる。こんな状況はそうはないのだから、ひるんだり、ぼんやりしている場合ではないのだ。
 もう一つ、今季はチームとしての約束事を設けた。試合の途中でベンチに下がることになった選手は、ケガをして担架で運び出される以外は、交代で入る選手と必ずハイタッチをする。ベンチに戻れば監督、控え選手と握手する。これらを励行するよう求めた。
 そんなこと?と笑わないでください。簡単なようで男女を問わずできていないと思うのは私だけだろうか。交代を命じられて悔しいのは分かるけれど、ぷいっと横を向いてそのまま更衣室に直行とか。客席から見ていても見苦しいと思うし、何が嫌といって交代で入る仲間へのリスペクトの念が見えないことだ。
 私の中ではオン・ザ・ピッチとオフ・ザ・ピッチの間には1本の線がしっかり引かれている。ピッチの中では常にスペクタクルなサッカーを求める。技術屋としてイージーミスは許さないが、ゴール前の大胆なミスは大歓迎。わざと倒れて審判をだますシミュレーションは大嫌いだ。
 ピッチの外に出たら仲間への思いやりやファンへの感謝はしっかり伝えさせたい。スペクタクルとリスペクトにあふれたチームは、また見たいという気持ちにお客さんをさせると思う。
 試合の有料化は「する」から「見る、見せる、見られる」スポーツになるということ。それは「自分のため」だけでなく「チームのため」「サポーターのため」「お客さんのため」と目的の輪を外に広げていくということ。そこを意識できるかどうかが自分たちの未来を左右すると思う。
(日テレ・ベレーザ監督)

----------日経電子版 


【所要時間:10分】
なでしこリーグ、一回、見てみたい。