11月頭に、村上龍氏が電子書籍の販売・制作会社を設立した。電子書籍時代の幕開け。しかし、個人的には電子書籍が普及して、誰がハッピーになるのか?作家、出版社、書店、端末メーカー、少々悲観的だったが、それじゃいかんと、以下、村上龍氏の会社設立の理由と経緯を読んで思った次第。売上のレベニューシェアまで開示しており、透明性を強調している。新しいことにチャレンジする意欲(先に唾をつける一歩目の速さ)、流石だなと思いつつ、瀬戸内寂聴恐るべしと思う。88歳で携帯小説やったり、AKBとコラボしたり、Twitterやったりと、コンピューターおばあちゃん。
コンテンツそのものの魅力が無ければ、デバイスが変っても売れないものは売れない。逆に言えば、上手くデバイスに対応すれば売れるかもしれない。
■G2010 設立の理由と経緯
今年2月、文芸雑誌「群像(講談社)」で、長編小説『歌うクジラ』の連載が終了しました。足かけ4年の連載だったので、やっと終わったという感慨に浸っていたある日、Appleからメールマガジンが届いて、指定のURLに飛ぶと、スティーブ・ジョブス自身による、iPadのプレゼンの映像がありました。惹きつけられ、100年後の未来社会を描いた『歌うクジラ』を、できれば紙に先行して、電子書籍としてこのデバイスで発表したいと思いました。連載終了が半年早かったらきっと紙書籍としてすでに刊行していたはずだし、半年遅かったらインパクトがなかったと、何か運命的な出会いのようなものを感じたのです。ただし、紙に先行して電子書籍として発売するためには、制作会社の選定と、それに何よりも講談社に率直に話し、承諾してもらうことが必要でした。わたしは『限りなく透明に近いブルー』という作品で講談社によって見出され、『コインロッカー・ベイビーズ』や『愛と幻想のファシズム』『共生虫』など多くの作品を出版してきました。これまで築いてきた良好な関係を壊すことは避けなければいけませんでした。
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【所要時間:20分】革命(時代の変化)を楽しめる奴は強い。